社内の報告書は、①結論(何を報告するか)、②事実(何が起きたか、何をしたか)、③原因や考察、④今後の対応や相談したいこと、の順に書くと、読む人が短い時間で内容をつかめます。報告書を読む上司や関係者が知りたいのは、経緯の細かさより、結果がどうだったのか、自分は何を判断すればよいのか、という点です。そのため、結論を最初に書き、事実と意見を分け、A4 で 1 枚程度に収めることが基本になります。報告書の種類によって書く項目は少しずつ変わりますが、この基本の構成は共通です。

報告書の基本の構成

項目書くこと書き方のこつ
表題何の報告か「〇〇の報告」のように、内容が分かる題にする
日付・提出者・宛先いつ、誰が、誰に宛先は、読んで判断する人
結論(要旨)報告の要点を 2〜3 行で読む人がここだけ読んでも分かるように書く
事実何が起きたか、何をしたか日時、場所、数字を入れて、具体的に書く
原因・考察なぜそうなったか、何が分かったか事実と分けて書く。推測なら推測と書く
今後の対応次に何をするか誰が、いつまでに、何をするかを書く
相談・判断してほしいこと上司に決めてほしいこと何を、いつまでに決めてほしいかを書く
添付詳しいデータや資料本文には要点だけを書き、詳細は添付にする

最も大切なのは「結論」です。読む人が最初の数行で報告の要点をつかめれば、その先は必要なところだけを読めば済みます。

種類ごとの書き方と例文

報告書の種類ごとに、書く項目と例文を示します(内容は説明のための例です)。

業務報告書(月次の報告など)

  • 結論:10 月の受注は 12 件(目標 10 件)で、目標を上回った。新規の取引先からの受注が 5 件あった
  • 事実:受注 12 件の内訳は、既存の取引先 7 件、新規の取引先 5 件。新規の 5 件のうち 3 件は、9 月に行った展示会で知り合った先
  • 考察:展示会で知り合った先への、1 週間以内の訪問が受注につながった
  • 今後の対応:11 月は、展示会で知り合った残りの 8 社を訪問する
  • 相談:次の展示会への出展の可否を、11 月 15 日までにご判断いただきたい

出張報告書

  • 結論:〇〇社との打ち合わせで、来期の発注量を 1 割増やす方向で合意した
  • 事実:日時・場所・出席者。打ち合わせで話し合ったこと、決まったこと
  • 所感:先方の担当者の関心は、納期の短さにあると感じた
  • 今後の対応:11 月 10 日までに、納期を短くした場合の見積を送る

研修報告書

  • 結論:〇〇研修に参加し、部下との面談の進め方を学んだ。来月の面談から取り入れる
  • 研修の概要:日時、主催、内容の要点
  • 学んだこと:仕事に使える点を 2〜3 つに絞って書く
  • 仕事への生かし方:いつ、何に取り入れるか

研修報告書は、研修の内容の要約より、「仕事にどう生かすか」に重点を置くと、読む上司にとって役に立つ報告になります。

トラブル・事故の報告書

  • 結論:10 月 5 日、〇〇社への納品が 1 日遅れた。先方の生産への影響は無かった
  • 事実:何が、いつ、どこで起きたか。誰がどう対応したか。時系列で書く
  • 原因:確認できた原因と、まだ分かっていないこと
  • 再発を防ぐ対策:誰が、いつまでに、何をするか
  • 先方への対応:謝罪や説明の状況

トラブルの報告書では、事実と原因を分けて書くことが特に大切です。原因が分からないうちに推測で書くと、誤った対策につながります。分からないことは「調査中」と書き、分かった時点で追加の報告をします。起きたときの最初の知らせは報告書を待たず、すぐに口頭や電話で伝えます。すぐに伝えるべき事態の基準の決め方は、報連相のルールの作り方で扱っています。

分かりやすく書くこつ

  • 1 文を短くする:1 文に 1 つのことを書く。長い文は 2 つに分ける
  • 数字を入れる:「多くの」「かなり」ではなく、「12 件」「1 割」と書く
  • 事実と意見を分ける:「〇〇だった」と「〇〇だと考える」を、見出しや段落で分ける
  • 箇条書きを使う:並べる項目が 3 つ以上あるときは、箇条書きにする
  • 専門の言葉を減らす:読む人が知らない言葉は、言い換えるか説明を添える
  • 読む人を決めて書く:誰が読み、何を判断するのかを考えて、必要なことだけを書く

書き終えたら、結論だけを読んで要点が伝わるかを確かめます。伝わらなければ、結論の書き方を直します。

報告書づくりに時間がかかりすぎるとき

報告書を作るのに多くの時間がかかっている場合は、書き方より、報告の仕組みを見直す余地があります。

1 つめは、報告書が本当に必要かを確かめることです。誰も読んでいない報告書や、同じ内容をほかの報告でも伝えている報告書は、やめるか、ほかの報告にまとめます。

2 つめは、書式を決めることです。報告書の種類ごとに、上の構成のようなひな形を用意しておけば、書く人は項目を埋めるだけで済みます。

3 つめは、数字の集計を手作業でしないことです。毎月の報告で、同じ表を手作業で作っているなら、集計の仕組みを使って自動で作る方法を考えます。

定期的な報告の書き方は、週単位なら週報の書き方、日単位なら日報は意味ない?目的の決め方と判断で扱っています。

実行時の落とし穴

経緯から書き始める

「〇月〇日に〇〇があり、その後〇〇して…」と経緯から書き始めると、読む人は最後まで読まないと結論が分かりません。結論を最初に書きます。

見栄えに時間をかける

社内の報告書で、図や色の見栄えに時間をかけても、判断の役にはあまり立ちません。中身が伝わることを優先し、見栄えは最小限にします。

悪い結果を書かない

目標に届かなかったことや、トラブルを書かずにおくと、上司は手を打つ機会を失います。悪い結果ほど、早く、事実のまま書きます。