共有フォルダのルールは、①フォルダの分け方と階層の深さ、②ファイル名の付け方、③見られる人と直せる人の範囲、④古いファイルの扱い、の 4 つを決めておくと、「ファイルが探せない」「どれが最新か分からない」「誰かが消してしまった」といった問題を防げます。共有フォルダが散らかる原因の多くは、置き場所の決まりが無いまま、一人ひとりが自分の考えでフォルダを作り、ファイルを置いていくことにあります。ルールは細かくしすぎると守られないため、1 枚に収まる程度にまとめ、フォルダの構成そのものを、決まりに沿った形で先に作っておくことが大切です。
共有フォルダが散らかる原因
一人ひとりがフォルダを作る
置き場所の決まりが無いと、ファイルを置く人は、自分の分かりやすい場所にフォルダを作ります。同じ種類のファイルが、部署ごと、人ごとに別の場所に置かれ、同じような名前のフォルダがいくつもできます。
ファイル名がばらばら
「資料」「最新」「修正版」のような名前のファイルが並ぶと、中身を開かないと何のファイルか分かりません。「最新」と名前に付けたファイルが、実はもう最新ではないということもよく起きます。
誰でも何でも直せる
全員がすべてのフォルダを直せる状態では、誤ってファイルを消したり、別のファイルで上書きしたりすることがあります。反対に、見られる人を絞りすぎると、必要な人が必要なファイルを見られず、個人の手元に写しが作られ、ファイルがさらに散らばります。
古いファイルが残り続ける
使わなくなったファイルが消されずに残ると、今使うべきファイルが埋もれます。古いファイルを開いて使ってしまう誤りも起きます。
ルールの例
決めておく項目とルールの例を示します。チームの仕事に合わせて直してください。
| 項目 | ルールの例 |
|---|---|
| フォルダの分け方 | 最上段は部署、2 段目は業務、3 段目は年度または案件 |
| 階層の深さ | 4 段まで |
| フォルダを作れる人 | 最上段と 2 段目は管理者だけが作る。3 段目以下は担当者が作ってよい |
| ファイル名 | 「日付_種類_内容_版」の順(例:20261001_見積_〇〇社_v2) |
| 版の管理 | 版は名前の末尾の番号で表す。「最新」「最終」という言葉は使わない |
| 個人のフォルダ | 作業の途中のものだけを置く。完成したら共有の場所に移す |
| 見られる人・直せる人 | 部署のフォルダは部署の人だけが直せる。全社で使うものは全員が見られ、担当者だけが直せる |
| 古いファイル | 年度が終わったら、前の年度のフォルダを「保管」に移す |
| 置かないもの | パスワードの一覧、必要のない個人情報 |
ファイル名の付け方は、探しやすさを大きく左右します。日付の書き方や、版の表し方の詳しい例は、ファイル名の付け方のルールで説明しています。
フォルダ構成の作り方
手順 1:置くファイルを洗い出す
今の共有フォルダにどんなファイルがあるか、これからどんなファイルを置くかを洗い出します。部署ごとの主な業務と、業務ごとに作るファイルを書き出すと、必要なフォルダが見えてきます。
手順 2:分け方の軸を決める
フォルダの分け方の軸には、部署、業務、案件(顧客)、年度などがあります。上の段ほど変わりにくい軸を置くのが基本です。部署や業務は変わりにくく、案件や年度は増えていくため、部署・業務を上の段に、案件・年度を下の段に置くと、構成が崩れにくくなります。
| 段 | 軸 | 例 |
|---|---|---|
| 1 段目 | 部署 | 01_総務、02_経理、03_営業 |
| 2 段目 | 業務 | 01_請求、02_支払、03_決算 |
| 3 段目 | 年度・案件 | 2026年度、〇〇社 |
フォルダ名の先頭に番号を付けておくと、並び順を決められ、よく使うフォルダを上に置けます。
手順 3:構成を先に作り、置き場所の一覧を配る
決めた構成のフォルダを、管理者が先に作っておきます。空のフォルダがそろっていれば、ファイルを置く人は迷わずに済みます。あわせて、「このファイルはここ」という置き場所の一覧を 1 枚にまとめ、共有フォルダの最上段に置いておきます。
手順 4:見られる人と直せる人を決める
フォルダごとに、見られる人と直せる人を決めます。考え方は「必要な人が見られ、担当者だけが直せる」です。人事や給与に関わるファイルのように、見られる人を限る必要があるものは、ほかのフォルダと分けて置き、見られる人を絞ります。
見られる人の範囲は、人の異動や退職のたびに見直す必要があります。一人ひとりに設定するより、部署や役割ごとのまとまりに設定しておくと、見直しの手間が減ります。
ルールが守られるようにする工夫
1 つめは、ルールを 1 枚にまとめ、共有フォルダの最上段に置くことです。新しく入った人にも、最初の週に説明します。
2 つめは、定期的な見直しの日を決めることです。半年に 1 回や年度の終わりに、ルールに沿っていないフォルダやファイルを直し、古いファイルを保管の場所に移します。
3 つめは、フォルダの管理の担当を決めることです。部署ごとに担当を決め、新しいフォルダの相談を受けたり、見直しを進めたりする役を持ってもらいます。
共有フォルダは、社内の情報共有の置き場所の 1 つです。チャットや共有の文書とあわせた情報の置き場所の考え方は、社内の情報共有の方法で扱っています。
実行時の落とし穴
階層を深くしすぎる
細かく分けようとして階層を深くすると、どこに置いたかを覚えていられなくなります。4 段程度に収め、それ以上は名前の付け方で分けます。
ルールを決めても構成を作らない
ルールだけを配って、フォルダの構成は各自に任せると、人によって解釈が変わり、結局ばらばらになります。構成は管理者が先に作ります。
見られる人を絞りすぎる
必要以上に見られる人を絞ると、必要な人が個人の手元に写しを作り、ファイルが散らばります。守るべき情報だけを分けて絞り、それ以外は広く見られるようにします。




